月次決算分析
- 1.人手は出来る限り営業部門に回したい。事務作業(経理財務・総務など)が
大変なのは理解しているけれども労力はなるべくかけたくない。
- 2..社内業務全体に不効率さを感じる。事務作業が二重に発生しているようだ。
- 3.銀行からの借入を考えているが担当者から「直近の月次決算書を3か月分
提出して下さい。」と言われている。うちの会社の経理部では不可能に近い。
どうしたら良いだろう。
- 4.「月次決算の早期化を実現し経営スピードを早めましょう。」と顧問の
税理士さんが言うので経理担当者を増員して翌月5営業日には月次確定
出来るようになりました。
でも経営スピードが特に改善されたような気がしないのだが、どうして?
- 5.コンピュータシステムを導入して、作業(納品書・請求書の発行、在庫管理、
原価計算、会計処理、他)を効率化したい。
導入費用を低く抑えるには?また、導入に失敗しない方法とは?
上記1〜4の質問(お悩み)はマネジメントの視点から実に多く寄せられます。それぞれの原因の多くは、ルーチン業務の不効率さ(二重作業・ダラダラ作業)とそれぞれの業務が目的を見失っている事が原因です。例えば、経理担当者は記帳の正確性を気にして作業するが、その作業データは何に使われるのかについては考慮しない。つまり、指示どおりの正確な作業はおこなうが、自己の作業目的まで考えが及ばないケースがあります。また、5に関してですが、1〜4が解決していなければコンピュータシステムの導入は失敗するものと言っても過言ではありません。不効率な作業状況でPC入力しても不効率な状況は改善されません。アナログ(紙)→デジタル(PC)に代わるだけで、作業ミスは増大します。ここでは1〜5をまとめて回答させていただきます。
月次決算の早期化を実現しましょう
月次決算書は税理士さんの為でも、税務署に決算書を提出する為でもありません。経営スピードを高めるためです。何故、経営スピードが上がらないのか。それは『月次決算書』を利用していないからです。
月次決算を経営に生かす。
前月の営業結果の反省は必ず翌月以降に活かされなければなりません。
月次決算レビュー(業務分析)
前月分の営業成績を分析・検討します。ここで言う分析は財務分析ではなく前月分の成績(営業事実)に対する業務分析です。この分析作業は経営陣だけではなく、部長・課長・主任レベルまでがそれぞれの責任範囲に応じて行う方が良いでしょう。社員教育の一貫を兼ねる事も可能です。また、財務分析に関してですが、社内での作業負担が大きい、もしくは適任者がいないなどの場合には信頼できる税理士等、外部に委託されても問題はないと思います。
「営業計画」等の必要性
業務分析を行うには営業事実の判断基準となる「営業計画」「単年度予算」が必要です。これによって計画の進捗確認、目標未達成時のリカバリー案が検討可能となります。
PDCAサイクル
業務分析により導き出された経営決定は、具体的な業務指示となり、各部長・業務担当者へ伝えられます。下図参照
当社は月次決算の早期化と月次決算の運用をサポートいたします。
- 当社は迅速な月次決算を実現いたします。
- PDCAサイクルにのっとったマネジメント体制を確立いたします。
- 必要があれば月次決算レビューの立会い、レビュー資料の作成サポートをいたします。
労力と時間をかけない経理体制の確立
月次決算の早期化を実現する為には経理部門(担当者)のパフォーマンスを上げなくてはなりません。しかしその為の増員は極力控える必要があります。人件費が増加し利益とキャッシュフローを圧迫するからです。
人員補充の前に必ず行うべき事
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経理データ(伝票・領収書・売上データ等)の流れは適切かどうか。締日にムリはないかの見直しをする。
月次決算が遅れる原因の多くは経理担当者の能力ではなく、業務システムの全体にムリがある場合が多い。
例1)売上が月末締めで、売上確定するのが、翌月の2日。それから集計とチェック作用作業に取り掛かる為作業が遅れる。
例2)各部署で発生した仕入等の経費が経理部に到着するのが遅く、連絡漏れが頻繁にある。 -
二重作業や無駄な作業がないか徹底的に見直す。
社内業務の中には慣例化した業務や、単独部署・担当者ごとの独自ルールがあり、全社的にみた場合に効率が悪い場合が多い。また、事務の正確性の確保の為のチェック作業自体が間違い発生の原因となっている事がある。
例1)二重作業の例
売上は店舗よりPOSシステム等からオンラインで経理部に伝えられるが、経理部は店舗の売上データを信用していない為に、売上伝票をエクセルで集計し店舗側のデータと照合し金額修正を行う。結果として売上データの確定には膨大な時間が費やされる。 また、作業が増えるごとにチェック作業もその作業分行う必要がある為さらに作業量は増加します。例2)「業務の引継書」が「作業マニュアル化」しているケース。
業務担当者の方との作業内容の確認を行っていた際に、作業マニュアルを見せられます。内容を見てみると他部署の業務とかぶっており、二重作業となっている。なぜこの様なものが書面化されているのか調査を行ったところ、実はその書類は、担当者が交代する際の「引継書」であり、担当者が交代する際にそれぞれの担当者の創意工夫が追加される。当初その「引継書」が作成された時点では適切であったと思われるものであっても、本来「引継書」は担当者自身の作業手順等を記したものであるので、時間の経過、状況の変化により会社全体では非効率なものとなっていく。例1・2とも私が実際のコンサルティングの現場で度々出くわす事例です。
- 具体的な経理システムの見直し
当社は適切な経理システムを構築をご提案いたします。適切な経理システムは会社全体の効率化につながります。是非、ご相談ください。
業務フロー図の利用
二重作業・ムダ作業のチェックは『業務フロー図』の作成が有効です。
- 業務フロー図は全社単位のものと部署単位のものを作成しましょう。
- 業務フロー図が完成したら各作業の完了予定日と作業人員、想定される作業時間を記入しましょう。
- これによって全社単位での必要業務が確認でき、二重作業の発見が容易です。
- 確認された業務フローで、現状の社内の人員で対応できない業務を人員補充またはアウトソーシングで対応する。
- 人員補充は作業内容を見極めた上で行いましょう。忙しいから人を増やす。のではなく、この業務を実行する為に人を入れる。です!
コンピュータシステムの導入について
ノートパソコンが10万円を切り、会計ソフト等のアプリケーションソフトが廉価で販売されている昨今の状況では、何らかの形でPCの導入がされている会社がほとんどと思います。あなたの会社ではどの程度コンピュータシステム(以下PCシステム)を利用できていますでしょうか。
会計システムにPCを導入した場合のメリットとPCシステム導入時のリスクを次に掲げます。
導入メリット | 転記作業の省力化 | ||
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売上があった場合、店舗担当者は売上伝票の起票をし、現金出納帳に売上現金の入金事実を記載。さらに在庫表に商品の出庫事実を記載。それを経理担当者へ連絡する。経理担当者はそれを受けて総勘定元帳への記帳、等々。かなり大変です。PC導入によりこれらの作業が1・2本の振替伝票仕訳入力で完了します。。 | |||
他の業務システムとのデータ連携 | |||
会計システムと他の業務ソフトを連動させる事によって次の事が可能となります。 | |||
自動経費計上 | ネットバンキングシステムとの連動により、未払い経費計上仕訳入力をする事で支払予定日での自動振り込みが可能になります。→振込業務の省力化、支払ミスの削減→信用力向上 | ||
データの解析 | PCのデータベースから必要データを抽出可能。 →経営資料の作成が容易、予算データをPCに登録しておけば予算と実績の対比分析が容易、PCからデータ(金額)を出力する為転機ミスがなくなります。 |
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現状把握 | システムの導入のしかたによっては、月次決算前であっても必要に応じて営業成績(概算ですが)を確認する事が可能となります。 →現場への指示がリアルタイムに出せる。 |
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伝票・保存書類の削減 | |||
部署間での伝票(紙)のやり取りが減り、(チェック作業において書類原本の確認が必要なものがある為、紙の使用がなくなる事はない)書類紛失などのトラブルが減少します。 | |||
導入リスク | そもそも導入する必要が無い可能性 | ||
導入による作業負担、導入費用がかかるだけで、作業効率が向上しない。全社的な業務フローの見直しをしない事が原因です。全体を考えない業務フローではPCシステムを導入しても軽減されるのは転記ミスだけです。紙ベース(PC導入以前の)での業務システムが確立していなければPCシステムを効果的に運用できません。 | |||
アプリケーション選択のリスク | |||
業務アプリケーションは大規模なERPシステムから市販業務ソフト(弥生シリーズ、奉行シリーズ等)TKC財務会計システム、ASPシステムなど選択肢は実に広いです。その判断は、「業務の洗い出し」をし、必要な機能を検討する必要があります。 |
アプリケーションベンダーはあなたの会社の内容を知りません。社内業務の内容・手順を先方に伝える為には自社内で「業務の洗い出し」「業務フロー」の検討が必要です。これを怠ると結果としてベンダーの言いなりのシステム導入となってしまいます。
BizPartnersは適切なPCシステムの導入を支援いたします。
PCシステムのカスタマイズはベンダー任せではいけません。BizPartnersがベンダーとの交渉をお引き受けいたします。 業務ごとの独立したアプリケーションは会計システムにデータの連動をする事で作業効率が格段に上がります。 『コンピュータ会計』を導入済みだが月次決算が遅い!とお考えの社長様。是非、ご相談ください。